9/21~ ドナルド・キーン・センター柏崎 開館
「私は日本文学の素晴らしさを伝えたい。」
2013年9月21日、「ドナルド・キーン・センター柏崎」が開館いたします。
ドナルド・キーンは、コロンビア大学名誉教授で日本文学と日本文化の研究の第一人者です。3・11東日本大震災の後、被災地の懸命に生きる人々の姿に「この人々と共に生き、共に死にたい」と日本永住・日本国籍取得の決意を表明しました。しかしながら同時にそれは、キーン氏のニューヨークの書斎がなくなってしまうことを意味していました。
このことが「ドナルド・キーン・センター柏崎」構想の大きなモチーフとなりました。
ドナルド・キーン・センター柏崎
「ドナルド・キーン・センター柏崎」にはニューヨークの自宅にあった「書斎」等の復元展示ホールをはじめ、貴重な映像を視聴できる映像ライブラリーやキーン氏から寄贈された書籍、レコード・CDなどの収蔵資料検索コーナーなどがあります。
また、そのほかにもメイン展示ホールでは、古代から現代まで文学作品の他に伝統芸能、文化評論、評伝と多彩な「仕事・作品」を彩る人物(主な研究対象となった文学上、歴史上の人物や深く関わった現代作家などが展示されます。
例えば、『源氏物語』の作者、紫式部、『奥の細道』の松尾芭蕉、川端康成や谷崎潤一郎、三島由紀夫など。彼らとの関わりを通して、その豊かな文学世界を写真、年表、著作本、原稿、書簡、ジオラマなどで展示・表現します。
中越沖地震で結ばれた柏崎市民との絆
キーン氏と柏崎市民の出会いもまた、2007年7月に発生した中越沖地震に遡ります。
震度6強の地震に見舞われた柏崎市民は希望を失いかけ、復興の険しさに立ちすくんでました。
このとき、キーン氏は古浄瑠璃「越後国・柏崎 弘知法印御伝記」の復活上演を提案しました。
2年近くの準備期間を経て2009年6月、柏崎産業文化会館ホールで「人形浄瑠璃越後猿八座」の旗揚げ公演として上演されました。
この公演は復興への道を懸命に歩む柏崎市民に夢を与え、明日への希望の灯となりました。